SVOだけじゃないのか!中国語語順の例外パターン8選

こんにちは、Shuです。

前回これでもう迷わない!中国語はじめの知識で、中国語はSVOが基本、という話を書きましたが、

今回は、

SVOだけじゃないぞ、中国語の語順には8つも例外パターンがあるんだぞ、という話を紹介します。

これをはじめに知っていると、

その後の新出例文に触れたときに

「え!なんで!?どういうこと!?」

とあたふたしなくて済むのでぜひ頭に入れておいてもらえると

「太好了」(よかった〜)ですよ🎵

 

では、いってみましょうーー!

①前置目的語

こちらは、目的語が前に来るパターンです。

中国語では、SVOではなくOSVになることが多々あります。

文:這本書我看過了。
形:OSV

 

英語の意味は、

I have read this book. (私はこの本読んだことがあります。)

This book I have read.(この本私は読んだことあります。)

(V= have read)

 

筆者はてっきり、「あ!この本!!わたし読んだことある!」の強調ニュアンスなのかと思って主人に聞いてみたら、そういうわけではないらしい。

「んーまぁ、この本は読んだことがあります、って感じかな。」だと。驚

台湾人てきには逆に、

我看過了這本書。(人が文頭にくる)

のほうがちょっと違和感があるみたいです。

②S被構文(受け身文)

こちらは受け身文(〜された)を作るときの形です。

受身文をつくるときは、
受けた人やモノ+被+加害者(行為者)+動作の順で言葉を並べます。

文:他被老師批評了。
形:S被OV

 


例文1:他被老師批評了。(彼は先生に叱られた。)
他  → He
被  → 受け身のis ~ed
老師 → 先生
批評了→ 叱った


例文2:手機被他弄壞了。(スマホが彼に壊された)
手機 → スマホ
被  → 受け身のis ~ed
他  → he
弄壞了→ 壊した


 

行為者不明の時は、加害者(行為者)の部分を丸ごと省略してOK!

・お金盗まれた!我的錢被偷了。
・ドアを閉められた!門被關了。

解説:
我的錢→ 受けた物
被  → 受け身のis ~ed
偷了 → 盗んだ

門  → ドア
被  → 受け身のis ~ed
關了 → 閉まった

 

③ちゃんとやった!構文

つづいて、処置完了を伝える把構文。

ちゃんとやった!感を強調するとき以下のようにいいます。

文:我把作業寫完了。
形:S把OV

「何かをどうにかしたよ」
「やるべきことをやったよ」
「すっきり完了したよ!」

ということを伝えるときに「把」を使います。

例えば…

・ちゃんと机の上に置いた!我把書放在桌上!

・ちゃんとドア閉めたよ!我把門關上了!

・宿題終わらせたよ!我把作業寫完了!

 

「〜を〜する」という単調な言い方ではなく、

「〜をどうしたか」をより明確にしたいときに使うんだ、と覚えておけばOK!

 

④連動文

 

中国語では、「AしてからBする」のような文を作るときに連続する2つの動詞の順番が変わることがあります。

例えば、

 

日本語では「買いにいく」といいますが、
中国語では「行って、買う」=去買の順番になる。(中国語は時系列に忠実)

文:我去買東西。
形:SV+VO

おでんを買いに行く。→去買關東煮🍢。

買去ではなく、
去買の順番です。

「先にする行動(移動)」+「その目的」

です。順番に要注意ですよー!

ちなみに、友達の家にいくときの

「寒いよね〜!おでん買っていくね〜」の「買っていくね」と言いたいときは

我要去買關東煮。になります。

 

「いま家出たよ(我現在出門了。)

おでん買っていくね、(我要去買關東煮。)

待ってて〜!(待著喔!)」

という感じで言います。

⑤補語構文

 

動作の状態や内容を表すときには補語構文を使います。

文:他跑得很快。
形:SV補語 or SV補語O

 

注釈:補語とは…動詞の後について、動作の内容や状態をもっと詳しく説明する言葉です。
SVO…私はごはんを食べた。
SV補語…私はご飯を食べてお腹いっぱいになった。

 

補語と一口に言っても、いろんな役割があります。

例えば【程度補語】は、
強い⇔弱い、深い⇔浅い、速い⇔遅い、広い⇔狭いなどを表します。

日本語 中国語
彼はとても速く走る 他跑得很快 SV補語

 

他にも以下のような補語構文があります。

補語の種類 日本語 中国語
形容詞的補語 美味しく食べる

ぐっすり眠る

我吃得很美味

他睡得很香

SV補語

SV補語

結果補語 お腹いっぱいになった

宿題をやり終えた

我吃飽了

我做完作業了

SV補語

SV補語O

方向補語 教室に入った

家に帰った

他走進了教室

他走回家

SV補語O

SV補語

 

形の表を見ると、SV補語Oのものもありますが、基本的に補語の位置がSVの後であることに変わりはありません。

 

⑥是的構文

 

過去の出来事や情報を強調するときに「是~的」を使います。

文:她是坐飛機來的。
形:S是(強調したい部分)V的

 

例えば…

飛行機で来たの?你是坐飛機來的嗎?
うん、飛行機で来た。對、 我是坐飛機來的!

↑「飛行機で!!」と強調してるってこと。

 

田舎のおばあちゃんとかに会いに行って、

「あんた、飛行機で来たん?」
「うん飛行機で!」

という会話に使えそうなニュアンスですね。w

◆他の例文:
♥ 我是昨天來的。(私は昨日来た。)←昨日を強調
♥ 我們是在台北認識的。(私たちは台北で知り合った。)←台北でを強調

 

「是的構文」のポイントは、

  • 「いつ」「どこで」「どうやって」などを強調したいときに使う
  • 過去の出来事の説明に使われる
  • S是(強調したい部分)V的←このように間に強調したい部分を入れる。

ということ!

 

ただし、強調しなくても全然OK。もし強調しない場合は、

♥ 我昨天來。(私は昨日来た。)

♥ 我們在台北認識。(私たちは台北で知り合った。)

のように、是と的を抜いて言えば大丈夫です。

 

⑦存在表現(ある/いる構文)

つづいて、「机の上」が主語になるパターン。

あるいる構文では場所を先に持ってくるのが自然。

文:桌上有一本書。
形:基本のSVOだが主語の転換が起きる

 

 

例えば、「机の上に本が一冊ある。」という文があるとしましょう。

桌上有一本書。

ここでは、「机の上」という場所を「主語」にしっちゃってます。

「場所を主語に!?」と思うでしょうが、中国語はこれが普通です。

 

これでもう迷わない!中国語はじめの知識でも少し触れましたが、

中国語では、話題となる人や物を文頭に持ってくることがよくあります。(トピック優先構文)

Japanese food, Taiwanese people love sushi.
(日本食、台湾の人はお寿司がすきです。)

→ここでも、Japanese food(日本食)が主語に来ています。

中国語だと、

日本料理,台灣人喜歡壽司。
(Rìběn liàolǐ, Táiwān rén xǐhuān shòusī.)
日本料理でいうと、台湾人は寿司が好きです。

みたいな感じ。

中国語ではまさにこういう構文が自然。「話題(日本料理)」を先に出すのが中国語らしいんですね。

だからこそ、「机の上有一本書」みたいな構文も中国語ではごく自然!

 

中国語は、なんの話してるのか、はっきりさせたい言語なのか??笑

日本語や英語との大きな違いが垣間見えて面白いですねぇ!

 

⑧【補足】ある不特定多数のもの(人)については主語省略

中国語は存在と現象に関わる事象を表すとき、独特な構造をとります。

 

ある不特定多数のもの(人)については主語省略

文:有一個大聲音。
形:VO

 

theがつく(その〇〇のような)存在や、
予測できたものや、特定されたもの(人)の場合…
例えば、「この雨は止んだ」の「この雨」など特定されたものについて言いたいときは、主語は「這場雨」であり、通常通り動詞の前にきます(文:這場雨停了。)

 

一方で、
予測できなかったことや、不特定多数のもの(人)の場合…
例:有一個大聲音(大きな音がした)の「大きな音」が主語であり、ある一つのある音と言うふうに表現して、動詞の後に置かれます。

 

まとめ

ここまでの例外パターン8選を以下にまとめます。

①目的語が前に来る文
這本書我看過了。
OSV
→目的語が前に来るパターン

②S被構文
他被老師批評了。
S被OV
→受けた人やモノ+被+加害者(行為)+動作で受け身表現になる。

③ちゃんとやった!構文
我把作業寫完了。
S把OV
→ちゃんとやった!を強調し処置完了を伝える。

④連動文
我去買東西。
SV+VO
→「買いにいく」という日本語てきな言い回しが、中国語では「行って、買う」=去買の順番になる。これを連動文という。

⑤補語構文
他跑得很快。
SV補語またはSV補語O
→動作の状態や内容を表すときに使う。

⑥是的構文
她是坐飛機來的。
S是(強調したい部分)V的
→いつ、どこで、どうやってなどを強調するときに使う。
過去のことを説明するときに使う。

⑦ある/いる構文
桌上有一本書。
基本のSVOだが主語の転換が起きる
机の上が主語になるパターン。
→あるいる構文では場所を先に持ってくるのが自然。

【補足】ある不特定多数のもの(人)については主語省略
有一個大聲音。
VO

→theがつく予測できたものや、特定されたもの(人)の場合、主語は前の前方動詞の前に来るが、予測できなかったことや、不特定多数のもの(人)については、主語が動詞の後に来ることがある。

 

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